World Walking Vol.34 MALTA —Malta Island— ゴゾ島のフードブランド「Gozo Cottage」のシーソルトを3名様にプレゼント

地中海の真ん中に浮かぶ小さな島国「マルタ共和国」。
イタリアのシチリア島のすぐ南に位置し、アフリカ大陸にも近いこの島は、地中海貿易の拠点として栄えました。イギリスが領有していた歴史を持ち、ヨーロッパにありながら英語が公用語となっているため日本からの留学先としても人気です。海を望む開放的な空気と乾燥した大地が織りなすダイナミックな景観は、地中海の小国に詰まった魅力を雄弁に物語っています。マルタ島とゴゾ島、コミノ島の魅力を2回にわたってご紹介します。

地中海の小さな島「マルタ共和国」

マルタ共和国は人口40万人、国土316㎢の小さな国ですが、北はイタリア、南はアフリカ大陸に挟まれ、さまざまな国の影響を受けながら発展してきました。温暖な地中海性気候に加え、独自の文化と歴史、美しい景色、エスニックな食事が魅力。島内に電車や地下鉄などはないため、移動手段はバスかタクシーがメインとなります。クラブなどが多いセントジュリアンなどのエリアでは、金・土の夜間にナイトバスの運行などもあり、観光からナイトライフまで利用できるのが嬉しいところ。バスとタクシーを上手に使い分けると、無駄なく移動できるでしょう。また、ホテルの場所や目的地が離れている場合は、レンタカーを借りるのもおすすめです。イギリス統治時代の名残で左側通行となっているため、ラウンドアバウトに慣れてしまえば日本と同じ感覚で運転することができます。他にも、フェリーなど船を利用するのも島特有の移動手段として魅力です。首都のバレッタがあるマルタ島からゴゾ島へ渡るフェリーには車を乗せることもできますし、美しい海が魅力のコミノ島へはボートで渡ることが出来ます。マルタ共和国はこの3つの島からなり、通年を通して世界中からバカンスに訪れる人びとで賑わっています。

上空から眺めるとコミノ島(手前)の美しいラグーンが出迎えてくれた。奥がマルタ島。

マルタ島は地中海クルーズでも人気の寄港地。島内を巡る観光用のトレーラーバスも満席だ。

言語から読み解く複雑な歴史

マルタ共和国はイギリスが領有(1815年のウィーン会議でフランスから獲得、1964年に独立するまで英領)していた歴史を持ち、国民の多くが公用語として英語を話します。ヨーロッパの非英語圏の人たちが英語留学に訪れ、日本からも語学とヨーロッパの文化を同時に学べる国として人気です。また、英語以外の言語も使われており、ローカル同士の会話は現地のマルタ語、テレビ放送はイタリア語で放送されるなど多様な言語が飛び交っています。これらの背景にはさまざまな国に支配された歴史が深く関わっています。イギリスから独立するまでも、イタリアやフランス、アラブ、ローマ、そして古くはカルタゴ(現チュニジア)にも支配されていた歴史を持ち、その文化形成は複雑だと言えるでしょう。イスラム帝国からの支配に抵抗し、戦ったのが「マルタ騎士団」。この国の由来となりました。

スリーマから眺めた「スリーシティーズ」。ヴァレッタの街は常に外敵から守るために島全体を要塞とした。歴史が生んだ美しい景観だ。

現在でも砲台から空砲を放つデモンストレーションが催される。

世界で最も美しい城塞都市ヴァレッタ

首都のヴァレッタは城塞都市として世界遺産に登録され、博物館や宮殿、壮大な教会などのバロック建築が見所です。とくに「セントポール通り」の夕景は素晴らしく、石畳があかね色に染まる様子は絶景です。レストランも多く、深夜までディナーを楽しむ人びとで賑わいます。また、ヨーロッパでもとくに治安が良い街なので、最低限の心構えを忘れなければ安心してナイトライフを楽しむことが出来るのも嬉しいところです。年間で360日も晴天が続くので、まず雨の心配はありません。その地理的環境から映画のロケに使われることも多く、数多くのエミーシ賞を受賞したTVドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」の1stシーズンなどをご覧になった方は、見覚えのある場所に出会えるかもしれません。

日中は日陰でブランチやティータイムを楽しむ。ヨーロッパでの屋外の過ごし方はいつも贅沢な気分にさせてくれる。
旧市街は多くの観光客で賑わう。ショッピングだけでなく、街を散策しながらカフェでのんびりしたり、海を眺めながらワイングラスを傾けるのも旅の醍醐味。
散策のお供にはバラのように盛り付けてくれる「Amorino」のジェラートがオススメ!
旧市街の城門前にある「トリトンの噴水」。夜の旧市街はライトアップも美しい。
坂道が印象的な「セントポール通り」。日中もカラフルな出窓が美しいが、夕焼けどきは特に素晴らしい。

旧市街を散策していていると突然現れた映画館。ノスタルジックな風情がたまらない。

レストランやバル、バーなど深夜まで営業しているお店も多い。屋外での食事はなんとも贅沢な気分になるから不思議だ。

ディナーの後、散策をしていると突然花火が打ち上げられた。世界遺産を背景にしたなんとも贅沢な光景。

乾いた大地と美しい海のコントラスト

この島のビーチを訪れると、日本のような砂浜(サンドビーチ)が意外に少ないことに気付きます。島全体が石灰岩で出来ているため海岸全体が白っぽく、コバルトブルーの澄んだ海水が海底まで光を届けることで美しいコントラストを生み出しています。また、年間の降雨量が極端に少ないため島全体が乾燥しており、いわゆる地中海のビーチというしっとりとしたイメージよりは、もう少し野性味に溢れた印象です。複雑な入り江は魚たちにとって格好の住処となり、ダイバーにも人気です。ダイナミックな地球の彫刻はいわゆる磯の香りもなく、潮風でありながらべたつかない。実に心地よい時間を満喫できることでしょう。

天然の飛び込みプール「セントピーターズプール」。マルサシュロックの市場に寄ってから訪れる人も多い。

底が深く掘れているためこの高さから飛び込んでも安全なのだが、いざ飛び込むとなるとなかなか勇気がいる。

水面までの高さは10mも無いのだが、海水が澄んでいて底まで見渡せるため、実際より深く感じる。思い切って飛び込むと実に爽快!

セントピーターズプールで有名なMr. Carmelo Abelaと愛犬のTina。
Carmelo氏が飛び込むと、迷わず後を追って海に飛び込む姿はSNSでも話題に。
こちらも愛犬と気持ちよさそうに泳いでいる。たっぷり疲れたらのんびりシエスタ。なんとも羨ましい日常だ。
ブルーグロット(青の洞窟)。天然の巨大なアーチは、クルーズツアーの客にも人気。

静寂の街に風が吹く「イムディーナ」

マルタ島には数多くの見所がありますが、個人的に最も感動したのがかつての首都「イムディーナ」。4000年前から人が暮らしていたとされ、場内にはノルマン建築やバロック様式の邸宅、教会などが混在しています。アイボリーのマルタストーンに囲われた城砦都市は「静寂の街」とも呼ばれ、いつも爽やかな海風が吹いているのが印象的です。城門をくぐると迷路のような狭い通りが幾重にも重なり、突然開けたパティオには鮮やかな花が咲き誇ります。真夏でもひんやりとした空気と風に包まれ、響く足音は自分のものだけ。ときおり建物の間から青空がのぞいたときのコントラストは息を呑む美しさでした。どこからともなく響き渡るカンパネラ(釣り鐘)の音は、聖パウロ教会のもの。地下には巨大なカタコンベ(地下墳墓)が広がっていて、生と死が自然と溶け合う静謐な街並みに心が洗われる思いがします。

マルタ島の最も高い場所に位置する「イムディーナ」。城砦の中の城砦といえる。
伝統的なマルタストーンで築かれた街並み。溶け込むような白さが中世へと誘う。
突然開けたパティオにでくわす。花の鮮やかさと青空のコントラストのなんと美しいことか。
細い路地が幾重にも重なるのは、敵の大軍を通さない城塞都市の名残。
壁の質感からも手作業の温もりが伺え、美しい陰影を描く。
場内には観光用の馬車も。蹄の音が心地よく響く。
現在、イムディーナには300名ほどの住民が暮らしている。
1693年の大地震で全壊してしまった「聖パウロ大聖堂」。1702年にマルタの建築家ロレンツォ・ガファによって再建された。
教会の内部は荘厳で美しい。正面アーチの修復が終わったら改めて訪れたい場所だ。
海まで見渡すことができる。常に風が吹くのはこの場所が周囲からなにも遮られていないから。

サーファーにも人気の穴場ビーチ「リビエラビーチ」

島中にビーチスポットが点在するマルタ島でも、一番おすすめしたい穴場が「リビエラビーチ」。島の西側ではゴールデンベイが有名ですが、すぐ近くのこのビーチは観光客が少なくゆったりと過ごすことができます。岩場が多いマルタビーチのなかでは希少なサンドビーチで、ここから眺める夕陽は見事。入り江にはほどよいサイズの波が立て続けに入ってくるため、サーファーにとっても最高のビーチ。レンタルのボードもあるので、こんな環境ならすぐに上達できそうです。丘の上に建つ小さな塔は「Ghallis Tower」。同様のタワーは島内で散見するのですが、地中海をバックに佇む中世の遺跡は絶景です。

美しい波が絶え間なく訪れる「リビエラビーチ」は、まさにサーファーズパラダイス。

レンタルのサーフボードを借りれば、最高の波乗りを楽しめる。
周囲にはレストランなどが少ないので、軽食や飲み物は忘れずに。
地中海に向かって佇む「Ghallis Tower」。サンセットを眺めるスポットとしても有名。
地中海に沈む夕陽をぼんやりと眺めて過ごす。贅沢なときの流れを感じる。
穏やかな表情で夕陽を眺めるマダム。黄昏れるのにぴったりの場所。
一日の終わりに、沈む夕陽を眺めながらゆっくりした時間を過ごすのも一興だ。

病みつきになる地中海料理

マルタは欧州の隠れた美食どころで、イタリアはもちろん、チュニジアやリビアなどアラブの影響も受けているため「地中海料理」と呼ぶのが相応しい味わいです。主に南イタリアの食文化がベースとなり、マイルドな味付けながらスパイスの香りが豊かに感じます。上質な塩とオリーブオイル、そしてトマトやチーズに魚介がふんだんに使われた料理は、ヨーロッパ全域に比べると比較的リーズナブルな料金で楽しめるのも嬉しいところ。マグロやウサギなどを使った名物料理は、いかにもマルタらしい味わいと言えそうです。料理のソースをホブズと呼ばれるマルタパンに付けて食べれば、ワインが進むこと間違いなし!

ショッピングモールやレストランが集まるヴァレッタのセントジュリアン地区。

うさぎの煮込み料理「ストゥファットタルフェネック」は、弾力のある歯ごたえとスパイスの香りが食欲をそそる。
リゾットやパスタなどもバラエティが豊かで、いずれも多様なチーズとのマリアージュがたまらない。
マグロやサーモンなどの魚料理以外にも、タコやイカ、貝類などシーフードも豊富。
牛肉は煮込み系やシュラスコ風のグリル料理などがあり、いずれもボリューム満点だ。
ラビュール(ラビオリ)はリコッタチーズとの相性が抜群!

青い空の楽園

日本からは直行便がないため、最低でも1回以上の乗り換えが必要なマルタ共和国。時間にして18~25時間ほどかかりますが、訪れたらきっとこの世の楽園を体験できることでしょう。日中は暑いのにカラっと乾燥していて、日陰で過ごすとなんとも心地よい風に包まれます。室内でも、窓を開けていればエアコンの必要はありません。天然のプールのような美しい海に豊富な食材。電気がなかった古代には、まさに「天国」だったはずです。意外にも乾燥した大地とゴツゴツとした岩場に囲まれた海岸線は、小さくもダイナミックな自然の美しさを教えてくれます。次回はコミノ島のブルーラグーンや、マルタ島よりも肥沃な大地と言われるゴゾ島をご紹介します。お楽しみに!

次回はゴゾ島に加え、地中海でも随一の美しさを誇る秘境ビーチ「コミノ島」もご紹介。

●この記事に関するお問い合せ
株式会社ゾディアック Libera編集部
Tel. 03-6380-0530 info@zodiac1987.com
●読者プレゼントのお知らせ
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で3名様に、ゴゾ島のフードブランド「Gozo Cottage」のシーソルトをプレゼントいたします。

〈セット内容〉
・Gozo Cottage
マルタ諸島ゴゾ島にあるフードブランド。全ての商品をゴゾ島で採れる物で作っており、防腐剤、合成香料、着色料などは使用していません。
Sea Solt(海塩)
内容量:300g

エントリー期間:2020年3月17日(火)〜2020年4月27日(月)

※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2020年5月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。

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