World Walking Vol.32 Penang Island 2 マレーシアのブランド「Nala Designs」のバッグを3名様にプレゼント
ペナンの文化を中心にご紹介した前回に引き続き、後編では島や街の魅力についてご紹介しましょう。
ペナン島の中心地ジョージタウンは、ストリートアートやショップハウス群のノスタルジックな町並み、活気溢れる市場や屋台街など、歩いているだけで街の雰囲気が次々と変わっていきます。少し足を伸ばせばローカルなエリアに国立公園「ペナン国立公園」や、東南アジア最大級の仏教寺院「極楽寺(Kek Lok Si Temple)」があり、文化と自然の雄大な景色が待っています。旅を冒険にしてくれるペナン島。ぜひ訪れて欲しい場所がたくさんありました。
街全体が世界文化遺産
ペナン島の中心地となるジョージタウンとマレーシア南西岸にある街マラッカは、「マラッカ海峡の歴史都市群」として2008年に世界文化遺産に登録されました。地理的には離れている二つの都市が一つの文化遺産として登録された理由は、西洋と東洋が融合した都市の景観や、貿易港として栄えた歴史的な価値にあります。現在でも中華系、マレー系、インド系をはじめとする様々な民族が暮らし、それぞれの伝統的な文化を色濃く残しています。
ジョージタウンはペナン島の魅力を凝縮した街で、ホーカーセンターやショップハウス、寺院、教会、モスクなど見所が満載です。ぜひジョージタウンに着いたらコムタ タワーに登ってみてください。ランドマークタワーであるこのタワーからは、ジョージタウンの街並みとマラッカ海峡を一望することができます。
コムタの下にはバスターミナルがあり、ジョージタウンを巡る無料バス「CAT」や、空港、ペナン島の街を回るバスが数多く発着しています。バスターミナルへ行ったらまずはインフォメーション窓口へ。7日間バスが乗り放題になるパス「rapid Penang PASSPORT」を入手するのがオススメです。30リンギット(約783円、2019年12月現在)で購入でき、バスに乗るたびに現金を支払う必要もありません。島中はもちろんマラッカ海峡を渡る路線などもあり、旅の移動にとても便利です。
街の中心でもあるコムタから目抜き通りのJalan Penang(ペナン通り)を北上していくと、チョウラスタ市場やペナン・バザールへ、Lebh Campbell(キャンベル通り)やLebh Chulia(チュリア通り)を抜ければリトルインディアへいくことができます。さらに東へ歩くとコロニアル建築の立ち並ぶLebuh Pantai(パンタイ通り)。寺院やモスクも共存していてコンパクトな街ながらも文化的スケールに圧倒されます。気ままに歩いているだけでどんどんと景色の変わるジョージタウンは毎日歩いても飽きることがありません。
若いクリエイターによるアートと、古き良き職人の手仕事
ジョージタウンを歩いているとあちこちにストリートアートがあることに気付きます。2012年の「ジョージタウン・フェスティバル」の際にリトアニア出身のアーティスト、アーネスト・ザカレビッチがストリートアートを描いたことが始まりで、様々なアーティストの作品が町中に増えていきました。
ストリートアートの中にはペナン島の歴史についてつくられた物が多数あります。あまり知られていませんが、ファッションブランド「JIMMY CHOO」の創始者であるジミー・チュウはジョージタウンの出身で、父が靴職人であったことから自身も靴を製作するようになりました。彼が靴製作を始めた場所には、アーティストBaba Chuahによるワイヤーアートがあります。
アートが施された建物は老朽化しているものも多く、どこか儚さも感じさせます。ジョージタウンの建物は一年中潮風にさらされているため、アートなどもいつかは色褪せ、錆びついていくことでしょう。
街に点在するインフォメーションセンターでは、ジョージタウンのストリートアートMAPをもらうことができるので、食べ歩きやショッピングの合間に探してみてはいかがでしょうか。
古い大きな建物の壁面に描かれた巨大なストリートアートは圧巻です。
また、この街には古き良き職人の手仕事も多く残っています。彼らのルーツは、富を築いたプラナカンたちのために中国などから集まった職人たち。女性が着る「クバヤ」という民族衣装の刺繍職人、伝統的なビーズ刺繍をあしらった靴を作るビーズ刺繍の職人たちが集まり、現在でも製作活動を続けています。
ジョージタウンの南側にある祥興隆(Seang Hin Leong)は1940年代に創業したお店で、手作業で籐や竹を編み、家具や籠などを製作しています。店内には床から天井まで所狭しと製品が並び、温もりのあるフォルムに目移りしてしまいます。時間があればオーダーも受け付けてくれるので、自分好みの一品を作ってもらっても良いかもしれません。店の奥にはご先祖の写真も飾られており、この店の歴史を感じさせます。他にも、線香の職人や金銀細工の職人など、街には各地から移り住んできた職人たちの系譜が残されています。
生活の知恵が詰まったショップハウス群
街を見下ろすと、見渡す限り赤いテラコッタの屋根が続いているのですが、これは「ショップハウス」という中国をルーツとした建物。その名の通り、一階に店舗、二階が住居となっています。イギリス統治時代に建物の幅によって課税されたため、税金対策として間口が狭く奥に長い設計のショップハウスが増えていきました。マレーシアやシンガポール、インドネシアでも見られるショップタウンですが、ここまで密集して残っている街はジョージタウンだけでしょう。生活の知恵と営みを感じさせる風景です。
ショップハウスは一階部分にアーケード状の道があり、隣接する建物と続いています。ファイブ・フット・ウェイ(five-foot way)といわれるこの道は、イギリス統治時代に、玄関から5フィート(約1.5m)を公共の道とするようにと義務付けられたものです。道の上にせり出した二階は、陽射しとスコールを避けて歩くのに便利。
新しい建物にもファイブ・フット・ウェイの文化は受け継がれています。路面が綺麗なタイルで装飾されていたり、カフェテーブルが置かれていたり、広いもの、狭いものなどさまざまなタイプがあり、散策をより快適に、楽しくしてくれます。最近では古いショップタウンをリノベーションした、おしゃれなカフェやレストラン、セレクトショップ、ギャラリーなどが増えてきており、天候に左右されないショップタウン巡りは旅の散策におすすめです。古いファイブ・フット・ウェイは建物の境目に段差ができていたりするので、散策の際には足元にもご注意を。
小さな国立公園「ペナン国立公園」
島の北西には世界的にも小さな国立公園「ペナン国立公園」があります。
1,213ヘクタールという広さでありながら、1,000種類以上の植物、数百種類の鳥類、哺乳類、爬虫類、昆虫などが生息しています。コムタ バスターミナルからバスで行くことができ、ジョージタウンからも簡単にアクセスできるので、旅の間に一度は訪れたい場所です。トレイルできるコースは2種類あり、主に海沿いを歩きながら、モンキービーチを通りムカヘッド灯台へ行くコースと、ジャングルの中を歩きながらウミガメの産卵スポットであるパンタイ・ケラチュットへ行くコースがあります。私たちはパンタイ・ケラチュットを目指すコースへ。ジャングルに入ってすぐに猿が出てきたのには興奮しました。運が良ければ他にも様々な生物に会うことができます。
トレイル以外の方法として、ボートで国立公園のビーチを周ることもでき、サンセットを楽しむツアーなどもあるので、子供からお年寄りまで楽しむことができます。
国立公園からジョージタウンへ戻る際には、ぜひ途中下車してトロピカル・スパイス・ガーデンへ。ペナンの食文化を支える香辛料やハーブなどが500種以上育てられており、実際に触れることもできます。中には毒のある植物を集めた「Poison Garden」というエリアもあり、見どころ満載です。ギフトショップも併設されているので、ペナン島の特産品であるナツメグやクローブをお土産に購入するのもおすすめ。お腹がすいたら隣接するレストラン「ツリーモンキー」で新鮮なハーブとスパイスをたっぷり効かせたタイ料理も楽しめます。
「トロピカル・スパイス・ガーデン」からさらにバスで10分ほどの場所にある海沿いの街「バトゥ・フェリンギ」には「シャングリ・ラ ラササヤンリゾート」など、人気のリゾートホテルが並びます。この街には世界で一番ビーチに近いスターバックスもあり、サンセットを楽しみながらコーヒーが飲める珍しい店舗となっています。
少し足を伸ばして郊外へ
ジョージタウンからバスで1時間ほどの場所にはアイル・イタムという街があります。この街は18世紀後半に東インド会社のフランシス・ライトにより農業地域として開拓されました。今日でも農業が盛んで、ジョージタウンで消費される作物の多くはこの地で作られ、新鮮な野菜や果物が毎日届けられています。市場やホーカーセンターもあり、市場の一角にあるアイルイタム・ラクサ(Pasar Air Itam Laksa)では地元でも評判のアッサム・ラクサを食べることができます。
アイル・イタムにはマレーシア最大級の仏教寺院ケックロックシー(極楽寺)もあります。ジョージタウンで住職をしていた妙蓮法師が、中華系実業家たちから資金を提供され建てた仏教寺院で、広大な敷地とカラフルな色彩に圧倒されます。ペナン・ヒルまでのケーブルカーもこの街から出ているので、ジョージタウンの散策の合間にローカルタウンを散策してみてはいかがでしょうか。
多彩な文化が織りなす風景はまるで万華鏡
裕福なプラナカンの築いた文化、イギリス統治時代の歴史、移民たちのルーツなど、それぞれが繋がり発展した独自の文化体系は、いわばペナン文化と呼んでも良いほど独特な魅力を持っています。時代に翻弄されながらもこの地で新しい生活を根付かせていった人たち。そんな、生活に根ざした知恵と営みを感じることができます。遠くマラッカ海峡を眺めていると、グーローバルな時代の幕開けとともに花開いたペナン文化の息吹を街のあちこちから感じることができます。
前回掲載のWorld Walking Vol.31 Penang Island 1 の記事はこちら
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〈詳細〉
・「Nala Designs」バッグ
サイズ:幅34cm・高65cm・奥行18cm
素材:綿100%(アクリルコーティング)・裏地綿サテン100%
※柄が3種類ありますが、お選びいただけません。ご了承ください。
エントリー期間:2019年12月17日(火)〜2020年1月27日(月)
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
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