World Walking Vol.31 Penang Island 1 マレーシアのブランド「Nala Designs」のクッションカバーを2名様にプレゼント
マレーシアの西端、マラッカ海峡に面したペナン島は、交易船の寄港地として栄えた島です。
中華系、マレー系、インド系をはじめとする様々な民族が暮らしており、この島だけで各地の文化を体験することができます。
特に各国の料理は現地以上にオーセンティックな味わいが残されており、1日だけで何カ国も旅行したような気分になります。お昼はリトルインディアでインド料理を楽しみ、午後は英国式のティータイムを過ごし、夜はホーカーセンター(屋台村)でホーカー料理を楽しむ。そんな旅ができるのもペナン島の魅了です。
貿易港として栄えたペナン島
ペナン島はマレーシア半島の西側、マラッカ海峡に面した小さな島です。未開の地だったこの島は、アジアでの貿易を目的として設立された「イギリス東インド会社」によって開発されました。東インド会社のフランシス・ライトはペナンを関税のかからない自由貿易の場所とすることで、多くのイギリス人を入植させ、ヨーロッパとの交易を活発に行います。
主に中国、アジア一帯から香辛料やお茶、絹、陶磁器などの希少な品を運んでいましたが、アヘン等を運ぶ中継地ともなり、多くの物資だけでなく情報やお金も行き交いました。こうしてたくさんの投資家を呼び込むことになり、急成長する港湾都市として中国やインドなどからの移民も増え、街は大きく発展していくことになります。
開発が止まったことで残された遺産
イギリスへ輸出するために農業も発展していきましたが、ナポレオンが1806年に発令したイギリスを封じ込めるための経済封鎖命令「大陸封鎖令」によって急速に衰退してしまいます。タイミングを同じくして、東インド会社は貿易の拠点をペナン島からセイロン島へ移し、政府も貿易に関税をかけるようになってしまったため、貿易を主力としていたペナン島の経済は急激に衰退していくのです。
こうしてペナン島はマレーシアの開発計画からも取り残されてしまいます。結果として、現代では貴重な昔ながらの建物「ショップハウス」や、イギリス統治時代に建てられたコロニアル建築が残ることになりました。歴史的建造物が残る街並みは旅行者にとって掛け替えのない魅力的な光景です。希少な建築物をリノベーションすることでショップやギャラリー、カフェなどに活用しているものも多く、歩いているだけでワクワクしてきます。
異文化の共存
フランシス・ライトはこの島に多くの移民を呼び込みました。主に中華系、マレー系、インド系の人々が暮らしていますが、民族が違えば宗教も異なります。街には、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、カトリックなどの宗教建築物が点在しており、中国寺院を散策していると、どこからかイスラム教のアザーンが聞こえてきます。それぞれのコミュ二ティーが独自性を保てるのは、各民族の代表者を中央政治に参加させた歴史があります。こうして各民族のコミュニティーは色褪せることなく、それぞれの文化を保ち続けることができました。中国本国やインド本国ではすでに無くなってしまったお祭りや料理などの伝統文化がこの島では今も続けられており、島の魅力のひとつとなっています。それはまるで、遠い昔に入植してきた先祖が、遙か故郷に想いを馳せているかのようです。
ペナンの食の面白さ
さまざまなカルチャーが交差するこの島の魅力のひとつに「食体験」があります。移民たちのルーツを感じながら、この島だけで世界中を旅行した気分になります。
ペナン島各地にあるホーカーセンター(※1)では、ぜひペナン島発祥の「アッサムラクサ」を。魚や海老を使ったスープに、タマリンドなどで酸味を加え、チリで辛味をつけ、太めの米粉麺を入れて食べる料理です。独特な風味は賛否が分かれるところですが、アジア料理が好きな方にはクセになる美味しさです。ラクサは地域により麺もスープも異なるので、好みの一杯を見つけてみるのも楽しみです。ホーカーセンターによって雰囲気や料理の種類も違うので、滞在中にホーカーセンター巡りをするのもおすすめ。
(※1)ホーカーとは手押しの屋台で料理を売り歩く人のこと。ホーカーセンターはいわば屋台村の総称。
ジョージタウンのリトルインディアは、インドさながらの雰囲気。本格的なインド料理はもちろん、雑貨や洋服、スーパーまでインド仕様です。さすが香辛料の貿易が盛んだったペナン島だけあり、スパイスをたっぷり使ったインド料理は絶品で、暑い日差しで疲れた身体に染み渡ります。リトルインディアで見かけたらぜひ買いたいのが「キャッサバチップス」。みためは普通のポテトチップスなのですが、ジャガイモではなく「キャッサバ芋」で作られています。日本でも人気の「タピオカ」の原料としても使われる芋で、ほんのりとした甘味があります。ペナンのスーパーにはあまり置いていないので、見かけた際にはぜ手にとってみてはいかがでしょうか。
プラナカン文化
また、ペナン島の文化を体験するのに外せないのが「プラナカン(※2)」の文化です。
プラナカンとは15世紀から16世紀にかけてマレー半島へ渡ってきた中国人男性と、マレー半島の女性との間にできた子孫たちのことをいいます。
東インド会社が貿易拠点として開発するよりも遙か昔、労働する移民としてではなく、商売をするためにペナン島へ来た彼らは巨万の富を築きました。衣食住において贅を尽くした文化は、今も街中の建物や博物館などで垣間見ることができます。ヨーロッパから仕入れたレースに、中国風の絹刺繍、ヴェネチアングラスや日本製のビーズを使用したビーズサンダルなど、当時の贅沢な暮らしにうっとりしてしまいます。
そんなプラナカンカルチャーに触れることができるのが、ジョージタウンの「チョン・ファッ・ツィー・マンション」。「ブルー・マンション」とも言われるこの建物は、中国人の富豪チョン・ファッ・ツィーがペナン島出身の7番目の妻のために建てたものです。目が覚めるような鮮やかな群青色の建物は、現在ホテルとして営業しています。併設されたレストランは宿泊客でなくても食事を楽しむことができます。風水をふんだんに取り入れた中国風の建物に、西洋装飾が融合した豪華な建物は、まさにプラナカン文化を凝縮したもの。ここで過ごすひとときは、旅の素敵な思い出となることでしょう。館内ツアーも開催しているので、ランチの前後に参加してみてはいかがでしょうか。
また、旅行者が触れられるプラナカン文化のひとつに「ニョニャ料理」があります。中国とマレーシアの料理をベースに、貿易を通して世界各国の影響も受けたこの料理は、私たち日本人もほっとするような優しい味わいが特徴。「ケバヤ・ダイニング・ルーム」では手の込んだニョニャ料理を堪能することができます。こちらもホテル「セブン・テラス」に併設されたレストランで、もともとは古くなってしまった建物をオーナーが再建し、今では素晴らしい中庭を望むペナンを代表するホテルになっています。
(※2)福建語では「ババ・ニョニャ」といい、ババ=男性、ニョニャ=女性を表します。他にも数種類の呼び方があります。
次回は独特の文化を発展させてきたペナンのエリアをご紹介
街中には「チョン・ファッ・ツィー・マンション」や「ケバヤ・ダイニング・ルーム」のように、昔から残っていた建物をリノベーションし、新たなスポットとして活用しているところが数多くあります。懐かしさと新しさが交差するこの島の佇まいは、ビルに囲まれて暮らすわたしたちにはとても新鮮な光景です。
今回のWorld Walkingではペナン島の歴史や文化についてご紹介をしましたが、次回は多くの人や文化が交差しながら発展してきた魅力的なエリア、小さくとも力強い野性味溢れるペナンの自然についてご紹介します。どうぞお楽しみに!
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〈詳細〉
・「Nala Designs」クッションカバー
サイズ:50×50cm
※ヌードクッションはセットではありません。
※柄が2種類ありますが、お選びいただけません。ご了承ください。
エントリー期間:2019年11月15日(金)〜2019年12月25日(水)
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
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