安藤忠雄が設計した7室のMINIMAL LUXURYホテル 瀬戸内リトリート 青凪 ペア宿泊券(夕・朝食付き)を1名様にプレゼント

海に向かって突き出した長さ30mのインフィニティプール。その先の瀬戸内海と一体化したような気分になる。

ティッシュペーパーの「エリエール」で知られる大手製紙会社、大王製紙株式会社は愛媛県四国中央市に本拠を置いている。そのエリエールの名を冠した女子プロゴルフのツアートーナメント「大王製紙エリエールレディスオープン」は、今年も11月16日(木)から19日(日)まで、エリエールゴルフクラブ松山を会場に開催される。建築家・安藤忠雄設計の小さな高級ホテル「瀬戸内リトリート 青凪」は、そのクラブハウスのすぐ近くにある。

ホテルで買い求めた安藤忠雄の著書『安藤忠雄の建築 0』に添えられていた「瀬戸内リトリート 青凪」の自筆スケッチとサイン。

ゲストハウスとして竣工

エリエールゴルフクラブ松山は、松山空港から車で50分ほど。クラブハウスの前を通り過ぎると、すぐ先の小高い丘の上に「瀬戸内リトリート 青凪」がある。瀬戸内海の島々を望む絶景ホテルだが、リトリート(隠れ家)の名の通り、そのたたずまいはホテルというより、むしろ個人の別荘のような趣である。それもそのはずで、1998年の竣工以来、長く大王製紙のゲストハウスとして使用されており、一般に公開されることはなかった。プライベートな施設だったせいか、安藤忠雄の作品リストにもその名は見当たらない。

エントランスもこのシンプルさ。正面左手の入り口に電動ドアがある。
ホテルを象徴するプール「THE BLUE」から本館を望む。
内庭のオブジェは瀬戸内海の島々をイメージしている。
瀬戸内の風景はそのまま一幅の絵画のよう。この禁欲的なたたずまいこそ、安藤忠雄の世界か。
半透明の磨りガラスに外の景色を映す。これもまた、安藤マジック。
安藤忠雄の建築を象徴するSimple but Elegantなレセプションエリア。
ラウンジエリアはガラス張り。そのまま自然の中でくつろいでいる気分になる。
滝が流れ落ちるSunken Gardenを望むダイニングカウンター。
ガラス張りの壮大な吹き抜け空間が爽快。正面の絵画はフランク・ステラ作「鯨の見張り/白鯨より」。

ホテルになってまだ1年半

その後、一時、大王製紙が収蔵する美術品を鑑賞するための美術館として活用されたこともあるが、世界的な建築家・安藤忠雄の設計ということもあり、経営陣が一般に公開することを決めたという。早速、安藤忠雄を交えて内装などを再検討、大幅な改装を経てホテルとしてオープンしたのは2015年12月のこと。運営を任されたのは、日本各地で高級ホテルや旅館の運営・コンサルティングを手がける株式会社温故知新。そのキメのこまかなサービスと丁寧な対応、斬新な企画力に注目が寄せられている。

夜になると、幻想的な風景が現出する。
プールサイドに置かれている家具調度もスタイリッシュ。
本館2階のメンバールームにはビリヤードも設備されている。
本館の地下1階に位置するインドアプール「The Cave」。ジャグジィも備えている。
大きな1枚ガラスの窓から外の自然を眺められるサウナは珍しい。
ロッカールームも広々としていて快適。
本館3階のスパは各地の高級ホテルで施設を展開する「All That Spa」。
Sunken Garden の滝の上から本館を望むと、視線は建物の向こうの自然に抜けていった。

全7室の贅沢空間

本館にはメゾネットタイプのTHE AONAGIスイートと4ベッドスイートが各1室、別館には半露天温泉スイート4室とガーデンスイート1室が配置されている。わずか全7室のホテルだが、いずれもスイートルーム仕立て。これにダイニングルーム、インドアとアウドドアのプール、スパ、サウナ、ラウンジなどがあり、極めてシンプルな構成。客室数が少ない割にプールなどのパブリックスペースが充実しているせいか、ほとんど個人の別荘感覚で過ごせる。

写真左:本館の最上階部分にはメゾネットタイプのTHE AONAGIスイートがある。
写真右:ライトアップされると、昼間とはまた違った表情を見せる。
床から立ち上がったグラスウォールのおかげで、瀬戸内海の風景を一望できる。
眼下のプールの青と瀬戸内海の青がシンクロして、深い印象を残す。
2層吹き抜けになったメゾネットの客室。20年近くも前の設計とは思えないほど斬新なデザイン。
書斎のスペースはすっかり無駄を省いてあり、シンプルで落ち着いた雰囲気。
自然素材の青色のベッドスプレッドが気分を落ち着かせる。
天井部分に開けられたスリットもまた、安藤作品ならでは。

自然の光と空気の心地よさ

建築家・安藤忠雄のユニークな経歴や業績は、すでに広く知られていることだろう。しかし、彼の建築に“泊まる”体験をした人は、それほど多くないのではないか。そうした意味で「瀬戸内リトリート 青凪」での体験は貴重だ。外観のデザインは、彼の得意とする鉄とガラスと打ちっ放しのコンクリートだが、内部はさながら、瀬戸内海というステージを間近で鑑賞するための特等席のようだ。客室のソファーで、ベッドで、浴室で、廊下で、ラウンジで……さまざまな場所で自然の光と空気を全身に浴びているような心地よさを感じる。

本館から別館に至る半地下のコリドー。両側に大きなガラス窓があり、階段状の植栽を楽しみながら歩くことができる。
本館と対をなす別館。デザインのモチーフは本館と同じだが、やや小振りにできている。
隣接するゴルフ場の17番ホールから眺めると、建物のリズム感がよく分かる。
客室はそのまま、瀬戸内海の景色を堪能するための展望ラウンジのようだ。
森に浮いているような気分で、ベッドに居ながら外の景色を楽しめる。
瀬戸内海の美しさは、世界でも有数のものだろう。
ホテルの案内は、客室に用意されたタブレット端末で行われる。
半露天温泉スイートの浴室には天然温泉が引いてある。窓ガラスの上半分が外されているので「半露天」と称している。
アメニティはギリシャ製。香りが素晴らしい!
「打ちっ放しのコンクリート壁に自然の影が映るこの場所が大好き」というのはマネージャーの吉成太一氏。「小さな高級ホテルで働きたい」と、こちらに移ってきた。

貴重な安藤体験

安藤忠雄はその著書『安藤忠雄 建築を語る』で「私にとって、建築とは相反する概念の止揚」だと言っている。それは「建築と風土、理念と現実とのギャップを埋める闘い」でもあったろう。さらに「風土や生活文化に根ざした、人が五感で感じ取れるものが強く刻み込まれていなければならない」とも主張している。建築はやはり、ただ眺めるものではなく、人がそこで生き、呼吸し、感じるものでなくてはならないのだろう。「瀬戸内リトリート 青凪」は、そのことを改めて実感させる。

夕食は和食のコース料理九品。これは前八寸「現代アート」。若鮎の笹寿司が絶品でした。
向付「漁場」御膳仕立て。瀬戸の幸・鰆(さわら)叩き蓮芋と共に、酢橘素麺、穴子寿司と、地元産の食材を堪能。
陽も落ちて、滝もライトアップ。強肴「醬」は伊予牛が主役。赤ワインとよく合う。
朝の噴水を眺めながらいただく朝食はまた格別。
お櫃に移されたご飯が、まぶしいほど光り輝いて見えた。
朝の光、噴水の舞、パリッと香ばしいコーヒー、そしてこの時間をじっくり楽しむ。
「現在は安藤忠雄というスーパースターのお陰で宿泊のお客様が相次いでいますが、いずれはサービスそのものでお客様に評価されたい。その自信はあります」と兼本恵章(やすあき)総支配人。

松山を訪れる楽しみ

せっかく松山市を訪れたのなら、ぜひ寄っていただきたいのが「坂の上の雲ミュージアム」。司馬遼太郎の同名小説をテーマにしたミュージアムで、萬翠荘(ばんすいそう)に至る道の入り口にある。NHKがドラマ化した際、渡辺 謙のナレーション「まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている。小さな、といえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう……」の名調子が、今も耳に残る。松山出身の秋山好古(よしふる)、真之(さねゆき)兄弟、それに正岡子規の三人の交流と足跡を丁寧に紹介している。実は、このミュージアムの設計も安藤忠雄で、スロープ状のゆったりした展示スペースと、中央を貫くコンクリートの“空中階段”が見もの。

安藤忠雄が設計した「坂の上の雲ミュージアム」。
松山といえば道後温泉。今も多くの人で賑わう。
夏目漱石の「坊ちゃん」の世界も健在だ。
日本に野球を広めたとも言われる正岡子規。
“いで湯と城と文学のまち”松山の象徴の一つ、松山城。
●「瀬戸内リトリート 青凪」への問い合わせ
Tel.089-977-9500
www.setouchi-aonagi.jp/
●「安藤忠雄展—挑戦—」(2017年9月27日〜12月18日 国立新美術館)の展覧会ホームページ
http://www.nact.jp/exhibition_special/2017/ANDO_Tadao/
●Libera掲載 「安藤忠雄展—挑戦—」
https://www.e-libera.com/entertainment/2017/06/tadaoando/
●読者プレゼントのお知らせ
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で1名様に、「瀬戸内リトリート 青凪」のペア宿泊券(夕・朝食付き)をプレゼントいたします。

宿泊券有効期間:2017年11月1日(水)〜2018年4月30日(月)
宿泊券使用除外日:宿泊券使用除外日については、当選後にホテルへご確認ください。

エントリー期間:2017年8月17日(木)〜2017年9月25日(月)

※当選者の発表は、賞品の発送(2017年10月中)をもってかえさせていただきます。

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