鎌倉時代から現代までを通覧する 特別展「きもの KIMONO」 東京国立博物館 特別展「きもの KIMONO」ペア観覧券を5組10名様にプレゼント
800年以上の歴史を持つ日本の「きもの」は、紛れもなく日本独自の美の世界を体現している。その最上質のきものの豪華さ、華やかさ、きらびやかな美しさは、西洋のドレスに勝るとも劣らない精緻な芸術品と評しても言い過ぎではないだろう。質・量ともに世界最大のきものコレクションを有する東京国立博物館で開催する、空前絶後の大規模きもの展である。
どんなドレスも「きもの」にはかなわない
外国籍のクルーズ船に乗ると、乗船した次の日のディナーは大抵、キャプテンズテーブルを囲んでの晩餐会となる。男性はタキシード、女性はイブニングドレスなどに身を包んで臨む晴れがましいひと時である。フォーマルウェアは堅苦しいといって敬遠する向きもあるが、船旅にメリハリをつける意味で、パリッとした時間を持つのも悪くない。そんなとき、キャプテンの隣にきもの姿の女性が席を占めていることがよくある。「キャプテンの席にお招きするのは私の仕事の一つ。きものの女性がいれば、真っ先に隣に座っていただきます」とノルウェー出身の船長さん。「宝石を外したら、どんなドレスもきものの美しさにはかないません」だそうだ。結城紬の手の込んだ織りと匂い立つような上品な色合いなどは、一目見ただけで、誰もが品格の高さを感じることだろう。
和服も世界文化遺産
きものの起源は、平安時代に女性が着用していた「唐衣裳装束(からぎぬもしょうぞく)」の下着、「白小袖」に端を発しているという。この「小袖」が室町時代後期になって染や刺繍、金銀の摺箔(すりはく)を施され、やがて「表着」として花開いていったのがきものということになる。こうした日本のきものが、文化と言えるほどまでに成熟してから、わずか800年程度しか経っていないことにむしろ驚く。室町時代から安土桃山、さらに江戸時代へと、わが国が文化的に成熟度を増すにつれて、きものもまた洗練度を増してきたわけだ。現代の日常生活からは消えつつあるきものだが、「和食」同様、「和服」もまた、ユネスコ世界文化遺産に登録される価値があるように思うのだが、どんなものだろうか。
きものを通して過去・現在・未来を見つめる
今回の特別展「きもの KIMONO」は、時系列で「モードの誕生」から「京モード 江戸モード」「男の美学」「モダニズムきもの」、そして最終章「KIMONOの現在」まで、全5章にわたって展開される。鎌倉時代から現代までを通覧する初めてのきもの展だが、単に過去を振り返るだけでなく、日本文化の象徴として、きものを通して現代から未来を見つめる深い眼差しがある。それは実はきものを「遺産」にしてはならないということなのではないか。特別の日だけでなく、日常的にもごく自然に着物が着られたら、どれほど日本文化への愛着が増すことだろう。「会社の役員会は着物で出席してもよろしい」となれば、社風もがらりと変わるかもしれない。
2020年にこそ見てほしい
展覧会には、信長・秀吉・家康・篤姫など、歴史上の人物が実際に着用したきものも展示される。尾形光琳筆の「冬木小袖」などは、ここでしか見ることのできない逸品中の逸品。メトロポリタン美術館所蔵の「誰が袖図屛風」など、海外からの里帰り作品も多い。歴史的な作品から現代のデザイナーが手がけたきものまで、200件以上にも及ぶ作品が一堂に展示される様子はさぞかし壮観だろう。今回の展覧会を担当した東京国立博物館の小山結弦葉氏は「2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開かれ、世界中から多くの人が日本を訪れる年。一人でも多くの外国人に日本のきものの素晴らしさを知ってほしい」。きものとすっかり縁遠くなってしまった日本人には「改めてきもの文化の豊かさに目を留めてほしい」という。自ら、凛とした佇まいできものを着こなす小山さん。早速、きもの姿で寺巡りなどしてみたくなった。
「YOSHIKIMONO」を展示
この記事を掲載した2020年1月時点では、誰も想像できなかった「コロナ禍」。緊急事態宣言が発令され、「2020東京オリンピック・パラリンピック」は延期となり、渡航制限により航空機が運行を停止するなど、地球全体が一瞬で氷河期にでも覆われたような恐ろしさ。何より、美術館、博物館、劇場などが一斉に閉鎖されたのは寂しかった。政府が緊急事態解除を宣言したのは5月25日(月)。
4月14日(火)の開催予定だった「きもの」展も、ようやく6月30日(火)からの開催に漕ぎ着けている。そこで思わぬ発見をしたのがX JAPANのリーダー、YOSHIKIさんがデザインを手掛けるきものブランド「YOSHIKIMONO」。
呉服屋の長男に生まれたYOSHIKIさんは、現代の女性や外国人にも似合うきものを目指したそうで、テーマに掲げるのは「伝統と革新の融合」。ブランドを立ち上げてすでに10年以上、「現代を代表するきもの作品」として、海外での評価も高い。きものファンならずともぜひ見ておきたい得難い機会となりそうだ。
会場:東京国立博物館 平成館(東京・上野公園)
当日券:一般 1,700円 他
<会期変更>
特別展「きもの KIMONO」の開幕を延期しておりましたが、会期を下記の通り変更いたします。
旧会期:2020年4月14日(火)~6月7日(日) 東京国立博物館 平成館
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新会期:2020年6月30日(火)~8月23日(日) 東京国立博物館 平成館
※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://kimonoten2020.exhibit.jp/
※開館時間、休館日、観覧料、割引制度、特典チケットなど、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、東京国立博物館で開催される「特別展 きもの」のペア観覧券をプレゼントいたします。
エントリー期間:2020年1月17日(金)〜2020年2月25日(火)
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
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