600年にわたる帝国コレクションの歴史 ハプスブルク展 国立西洋美術館「ハプスブルク展」のペア観覧券を5組10名様にプレゼント
ライン川上流域の豪族だったハプスブルク家は、13世紀末にオーストリアに進出。その後、同地を拠点に勢力を拡大、広大な帝国を築き上げた。数世紀にわたってヨーロッパの中心に君臨し続けた同家は、まさに欧州随一の名門と言えるだろう。今回は、ハプスブルク家本流による蒐集品の核を成しているウィーン美術史美術館の協力のもと、5章7セクションの構成で、同家収集の主要な絵画、版画、工芸品、タペストリー、武具など約100点が紹介される。
武力よりも文化で支配
オーストリアのみならず、イタリアやフランス、スペインなどを旅していると、淡い黄色の建物が目につく。いずれもハプスブルク家ゆかりの離宮や邸宅だったものとかで、現在でも大切に保存されている。こうした姿を見るだけでも、同家が地元の人たちの誇りの対象になっていることがよく分かる。ハプスブルク家は、武力や強権でヨーロッパを支配したのではなく、もっぱら洗練された文化的な教養と美意識、それに憧れる各地の王族との広い姻戚関係から平和を維持してきたとされる。その権威と莫大な富を背景に、コレクションの礎を築いたのが、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世だった。本展の1章はそこから始まる。
傑出した才能
2章は、ハプスブルク家内だけでなく、ヨーロッパ史上を見渡してもこれほどのコレクターは存在しないとされる稀代の美術品愛好家、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世のコレクションに注目する。政治的なセンスに乏しく、君主としての評判は芳しくなかったとされているが、学術の庇護者であり、また優れた審美眼の持ち主として揺るぎない評価を得ている。優れたコレクションは、富だけでなく、傑出した才能なくしては成し得ないようだ。
コレクションの黄金時代
3章では、濃い姻戚関係にあったスペイン・ハプスブルク家からウィーンの宮廷にもたらされた、ベラスケスの作品を中心とした17世紀の名作の数々が紹介される。両家の間では、お互いの近況を知らせる手段として肖像画が利用されたようで、ベラスケス晩年の傑作《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》は、ウィーン宮廷に幼い許嫁の姿を伝えるものだったようだ。このほか、コレクションの黄金時代にふさわしく、17世紀の偉大な収集品が数多く展示される。
ハプスブルク家の黄昏
4章では18世紀の、皇妃マリア・テレジアと、末娘でフランス国王に嫁ぎ市民革命で命を落としたマリー・アントワネットが生きた激動の時代のコレクションが紹介される。そして5章では、60年の長きにわたってオーストリア・ハンガリー二重帝国に君臨したフランツ・ヨーゼフ1世とその妃エリザベトの時代である。第一次世界大戦での敗戦により、ハプスブルク家の栄華はついに終焉を迎えることになるが、その文化的な遺産と価値は今も褪せることがない。願わくは、武力でなく、文化の高みを競う平和な時代であって欲しいものだ。
会 場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
会 期:2019年10月19日(土)〜2020年1月26日(日)
当日券:一般 1,700円
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式ウェブサイト:https://habsburg2019.jp/
※開館時間、休館日、観覧料、割引制度、特典チケットなど、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、国立西洋美術館で開催される「ハプスブルク展」のペア観覧券をプレゼントいたします。
エントリー期間:2019年8月16日(金)〜2019年9月25日(水)
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2019年10月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。
エントリーキーワード/ハプスブルク
エントリーはこちら