ゴッホは、いかにしてゴッホになったのか…… ゴッホ展 上野の森美術館「ゴッホ展」ペア観覧券を5組10名様にプレゼント
わが国のみならず、世界中から愛されている画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)。彼の37年の生涯のうち、画家として活動したのはわずか10年に過ぎず、代表作のほとんどは晩年のわずか数年の間に描かれたものという。代表作《糸杉》など、晩年の代表作に加え、貴重な初期の作品も数多く展示、ポスト印象派の代表的な画家になるまでの、短くも濃密な画業をたどる。
貧しい人々に対する共感
「ファン・ゴッホの作品の発展におけるハーグ派の重要性は、これまでほとんど知られてきませんでした」というのは、今回の「ゴッホ展」の監修者でハーグ美術館館長のベンノ・テンペル氏。「ハーグ派が描いた農民や漁民の生活といったモティーフは、ファン・ゴッホの社会的な興味と一致する」という。確かに、ファン・ゴッホは牧師の子として生まれ、自らも牧師を目指して大学の神学部受験を試みて挫折、ベルギーの炭鉱地帯に入って伝道活動をするも、困っている人に過剰に寄り添って資格を停止されるなど、貧しい人々に対する共感には人並み以上のものがあったようだ。
ハーグ派によって基礎を学ぶ
牧師の道を諦め、弟のテオのすすめで画家になることを決意したのは、ようやく27歳のとき。そこで、ブリュッセル、ハーグなどに移り、親戚の画家アントン・マウフェに絵の手ほどきを受け、美術学校に通うなどして腕を磨いていったわけだが、この5年ほどの修行の間が「ハーグ派との出会いと学びの時代」ということになる。わずか10年の画業のうちの半分を、ひたすら農民たちの労働や暮らしを描くことに費やし、画家としての基礎を学んでいたことになる。
怒涛のような5年間
弟テオのいるパリへ移ったのは1886年、ファン・ゴッホ33歳の時のことである。ここで印象派と出会い、日本の浮世絵と出会うことで、ファン・ゴッホの絵は劇的に変化する。私たちの知るファン・ゴッホの主な作品の数々は、このパリから、ゴーギャンと南仏アルルの「黄色い家」でわずか2ヶ月の共同生活をして「耳切り事件」を起こし、サン=レミの精神療養院に入り、翌1890年、37歳でピストル自殺を図るまでの、目まぐるしく変化する怒涛のような5年間に描かれたものである。
ゴッホを「体験」する
ゴッホは、なぜ死ななければならなかったのか。兵庫県立美術館学芸員の小野尚子氏は「ファン・ゴッホが友人などに宛てた手紙などを読むと、パリに住むテオを訪れて、結婚して息子もいるのに余りに困窮した暮らしを見て、それを自分のせいだと感じたこと。さらに、作品が一向に世間に認められないことなど、様々な要因が重なったのではないか」と言う。その画業は、駆け足のような速さだったが、見る人に与えるインパクトは強烈だ。とりわけ、名作《糸杉》や《麦畑》、《薔薇》の絵に見る、何度も塗り重ねた厚塗りの筆のストロークは、現物でないととてもその凄さは伝わりにくいだろう。そこには確かにファン・ゴッホの「命」が宿っており、「魂の鼓動」までが聞こえてくるようだ。ぜひ、会場に足を向けて、ファン・ゴッホの作品を眺めるだけでなく、目の眩むような激しさを間近で「体験」してみてほしい。
会 場:上野の森美術館(東京・上野公園)
会 期:2019年10月11日(金)〜2020年1月13日(月・祝)
当日券:一般 1,800円 他
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式ウェブサイト:https://go-go-gogh.jp/
※開館時間、休館日、観覧料、割引制度、特典チケット、講演会など、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
会 場:兵庫県立美術館(神戸市中央区)
会 期:2020年1月25日(土)〜3月29日(日)
問い合わせ:078-262-0901(代) 火〜日/09:00〜18:00
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エントリー期間:2019年7月17日(水)〜2019年8月26日(月)
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