ニッポンの、美の原点。 特別展「縄文—1万年の美の鼓動」 東京国立博物館 特別展「縄文—1万年の美の鼓動」の無料ペア観覧券を5組10名様にプレゼント
芸術家・岡本太郎が愛して止まなかった縄文の美。考古学での研究成果をもとに、芸術作品としても改めて見直そうという「縄文」展。史上初めて縄文の国宝、全6件(うち2件は7月31日から展示)が集結して、縄文時代1万年の壮大な「美のうねり」を体感させる。それはまぎれもない、日本列島が生んだニッポンの美のバクハツだ。
1万年も続いた縄文時代
日本史年表を開くと、縄文時代は今から約1万数千年前〜紀元前5世紀ごろまで、約1万年も続いている。それ以前の日本列島はアジア大陸と陸続きで、氷期を経て、南方からナウマン象、北方からマンモス象などがやってきていた。1万数千年前以前は先土器時代に位置付けられており、土器はまだ使われていない。1万数千年前ごろになって気候が暖かくなり海面が上昇、ようやく現在のような日本列島ができたという。やがて時代が下るにつれて土器が登場しはじめ、縄目の模様がついた縄文土器がつくられるようになり、この時代が縄文時代と名付けられたのは教科書で習った通り。
縄文の宝庫「三内丸山遺跡」
その後の、紀元前5世紀ごろから3世紀ごろまでの弥生時代が1,000年にも満たなかったことを考えると、縄文時代の1万年はとてつもなく長い。大陸から稲作文化が伝わる以前の日本列島は、狩猟民族としての原日本人が、身分の差も貧富の格差もなく、定住しながら、野性味たっぷりに野山を駆け回っていたことになる。そうした事情は、青森県青森市で発掘された縄文時代の大規模集落跡「三内丸山(さんないまるやま)遺跡」が明らかにしてくれそうだ。
土偶と埴輪、どう違う
ところで、北海道から沖縄まで、日本各地で発掘されている縄文遺跡からは、おびただしい数の土器とともに「土偶」が発見されている。譽田 亜紀子(こんだ あきこ)著『土偶のリアル』(山川出版社)によると、その数「全国でおよそ2万点を数える」とのことだ。したがって、縄文人にとって土偶はなくてはならない存在だったはずだが、当時はまだ文字を持たなかったので、その目的や使われ方についてはまだまだ謎が多い。ちなみに、土偶というのは人形の土の焼物で、そのほとんどが女性。日常の暮らしに必要なものだったと推測されている。そこが、後の古墳時代(3世紀〜6世紀中頃)に、墳墓の外部に並べられていた埴輪と大きく異なるところだろう。
人間への感動と信頼感
この縄文土器に美を見出したのが芸術家・岡本太郎だった。長い間ヨーロッパで暮らし、帰国して日本文化の「ひどくよわよわしく、陰性である」ことに絶望していた岡本太郎は、縄文土器にふれて「からだじゅうがひっかきまわされるような気がしました」と記している。さらに「たんに日本、そして民族にたいしてだけではなく、もっと根源的な、人間にたいする感動と信頼感、したしみさえひしひしと感じとる思いでした」と続けている(1952年2月「縄文土器-民族の生命力」より)。
「縄文の美」が大集結
今回の縄文展の最大の見所は、9万件を超えるとされる縄文遺跡のなかで、わずか6件しか指定されていない国宝のすべてが、今回初めて勢揃いすることだろう(このうち2件は7月31日・火〜9月2日・日に展示)。さらに、縄文草創期から晩期まで、6つに分けられている各時期の出土品を網羅している点も見逃せない。日本列島の北から南まで、時代と地域を超えて「縄文の美」の極致が大集結する様は、岡本太郎ならずとも、うなってしまうに違いない。
縄文の精神を現代に
つい最近、1970年の日本万国博覧会のために岡本太郎がデザインした「太陽の塔」の内部が再生された。そこで初めてTVで「地底の太陽」を見たが、大らかさと緊張感が同居した、呪術的なまでのエネルギーと独創の美に圧倒された。万博会場の他の全ての施設が消え去った中で、「太陽の塔」だけが半世紀近くも生き残ったのは、そこに「縄文の息吹」があふれていたからだろう。「芸術の本質は超自然的なはげしさだ」という岡本太郎が、縄文の美を通じて伝えたかったのは「これからの人はモリモリした生命力、その英知をもって、いわばこの袋小路、封建日本のじめじめした雰囲気を打ちやぶって、新鮮な時代を創りあげてゆかなければならない」(同書)ということだったのではないか。
「火焰型土器」を聖火台に!
「見るものを意識した卑俗さがみじんもない」縄文の土器や土偶に限りない美を感じた岡本太郎は、一方で、「縄文の土器がどんなにすばらしいとしても、過去のものです。われわれが今日の現実に直面して、それ以上にはげしくたくましく生き、その表情を芸術のうえに打ちだすのでなければ、なんの意味もない」とも言っている。そうした意味で、今回の縄文展を開催する東京国立博物館副館長・井上 洋一氏の「火焰型土器のデザインを2020年東京オリンピック・パラリンピックの聖火台に採用してもらえないか」とのひそかな願いには、大いに賛同したくなる。そのためにも「火焰型土器」をぜひ、自分の目で確かめてみたい。
会 期:2018年7月3日(火)〜2018年9月2日(日)
会 場:東京国立博物館(東京・上野公園)平成館
Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://jomon-kodo.jp
※休館日、観覧料、割引制度など、詳細については上記の公式サイトをご参照ください。
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エントリー期間:2018年4月17日(火)〜2018年5月25日(金)
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