東西の名品、珠玉のコレクション ボストン美術館の至宝展 東京都美術館 ペア観覧券を5組10名様にプレゼント
米マサチューセッツ州の州都ボストン(Boston)は、米国でも最も古い都市の一つ。隣接するケンブリッジを含め、大都市圏ボストンにはハーバード大学をはじめ、マサチューセッツ工科大学(MIT)やボストン大学など100を超える大学や教育機関が点在しているところから「学術都市」のイメージが強い。そのため、たたずまいはいささか保守的に見えるが、風土は開放的でリベラル、独立心旺盛である。
高等教育を担う私立大学
米国には国立大学がない。全くないわけではないが、大学と同等に扱われているのは陸軍士官学校(エウスト・ポイント)や海軍兵学校(アナポリス)、空軍士官学校(コロラドスプリングス)などの軍事学校と、国防大学などの準軍事学校、それにFBIアカデミーや消防大学校などの非軍事学校の12の教育機関だけ。つまり、一般的な教育を政府の教育機関が直接、担うことはない。米東部に所在する名門“アイビー・リーグ”8大学などもすべて私立大学である。
自律した環境
そうした考え方は、米国最古の大学と言われるハーバード大学の「自分たちの教育は、自分たちの手で行う」という姿勢によるところが大きいようだ。何しろハーバード大学は、米国建国(1776年)よりも140年も前に創立(1636年)されており、元々、政府に頼ることなどできなかったのである。そのため、まずは経済的に自立していることが大切と、現在では約4兆円とも言われる豊かな大学基金を運用し、外部の影響を受けない自律した教育環境を維持している。
「経済は文化の僕(しもべ)」
それは、教育だけでなく、アートの世界にも言えるようだ。米国の建国100年(1876年)に合わせて開館したボストン美術館(MFA、Museum of Fine Arts, Boston)は、約50万点の美術品を収蔵しているが、国や州などからの公的な財政援助は一切、受けていない。ボストン市民をはじめとする多くの寄贈者の力だけでコレクションを拡充してきている。「経済は文化の僕(しもべ)」という言葉があるが、ボストンの経済活動は、高度な学問と芸術、文化、スポーツなどを支えるため、つまりは市民を幸せにするために行われているようにさえ見える。
経済力と寄付の文化
ボストン美術館の収集範囲は、古代エジプト美術から中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、実に幅広い。それはさながら、美術の百科事典を見るような幅広さだ。そして、それはそのまま多くの寄贈者の関心の広さと深さを示している。開館当時、わずか5,000点ほどだったという収集品が、その後の140年で50万点にまで増えた背景には、ボストンを中心としたニューイングランド地方の経済力と、それを公のために役立てたいという寄付の文化、さらに、世界中を旅して集める好奇心の強さと美術への造詣の深さ、豊かな教養があったということだろう。
何が収集家を駆り立てたのか
今回の「ボストン美術館の至宝展」は、同館の誇る珠玉の80点を紹介しており、まさに、そうした寄贈者と収集家、専門機関の比類のない収集活動の一端を如実に示したものともいえる。たとえば、世界に名だたる同館の古代エジプト美術コレクションは、1905年から45年までの40年間にわたって実施した同館とハーバード大学の共同調査隊の成果を示している。また、日本美術はモース、ビゲロー、フェノロサといった、日本でもよく知られる収集家たちによってもたらされたものだ。
膨大なフランス絵画コレクション
ボストン美術館にはモネ、ルノワール、ドガ、コロー、セザンヌ、ピサロ、ミレー、ファン・ゴッホなど、多くのフランス印象派、あるいはポスト印象派の作品がコレクションされているが、これらは19世紀後半、ヨーロッパ大陸に出かけていったボストン市民によってもたらされたものである。彼らは、まだ評価の定まらない名画の数々を、その慧眼によって収集し、米国にもたらした。その結果、ボストン美術館は世界でも有数のヨーロッパ絵画のコレクションを築くことになった。
アメリカ美術と現代美術
ボストン美術館は、お膝元のアメリカ美術のコレクションについても約20万点の作品を擁しており、世界屈指と評価されている。ジョン・シンガー・サージェント、ジョージア・オキーフ、エドワード・ホッパー、アンセル・アダムスといった米国を代表するアーティストの作品は見逃せないものの一つだ。さらに、1955年以降の作品1,500点以上を擁する同館の現代美術コレクションも注目の的だ。今回はアンディ・ウォーホル、デイヴィッド・ホックニー、村上 隆らの作品が展示される。
ゴッホのルーラン夫妻、二人そろって日本へ!
今回の展覧会で最も注目されそうなのは、ゴッホのルーラン夫妻の肖像画が、二人そろって一緒に見られることだろう。ファン・ゴッホは1888年2月、パリを離れて南仏のアルルに移り住んだが、見知らぬ土地で暮らしたファン・ゴッホの精神的な支えとなったのがジョゼフ・ルーランとオーギュスティーヌ・ルーランのルーラン夫妻だった。ファン・ゴッホは夫妻だけでなく、長男、次男、末娘のマルセルなど、一家の肖像を20点以上も描いており、親愛の深さが見てとれる。
会 期:2017年7月20日(木)〜10月9日(月・祝)
会 場:東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)
開室時間:9:30〜17:30 ※入室は閉室の30分前まで。(金曜日は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで)
休館日:月曜日、9月19日(火)。ただし8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館。
観覧料:一般1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生1,300円(1,100円)、高校生800円(600円)、65歳以上1,000円(800円)。中学生以下は無料。( )内は前売り券。
※8月16日(水)と9月20日(水)はシルバーデーにより65歳以上は無料。
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用のうえエントリーいただいた方の中から抽選で5組10名様に、東京都美術館「ボストン美術館の至宝展」のペア鑑賞券をプレゼントいたします。
エントリー期間:2017年4月17日(月)〜2017年5月25日(木)
※当選者の発表は、賞品の発送(2017年6月中)をもってかえさせていただきます。
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