クロマニョン人が残した洞窟壁画 特別展「世界遺産 ラスコー展」 国立科学博物館のペア入場券を5組10名様にプレゼント
ヒトはどのようにして現在のような「人間」になったのだろうか。約2万年前の氷河期に描かれたラスコーの洞窟壁画は、人類がいかに豊かな創造性を獲得していたか、洞窟の様子とともに、彼らの芸術的なセンスを体感することができる。
40億年の生命の歴史
原始地球が誕生したのは、太陽系が誕生したのと同じ今から約46億年前とされている。やがて海が生まれ、そこで生命体が産声を上げたのが40億年ほど前。磁気圏ができて太陽風から地球を守れるようになり、さらにオゾン層によって安心して海から陸に上がれるようになったのは5億年ほど前のこと。哺乳類の時代になるのは、今から約6,500万年ほど前のこととされている。
猿人からヒトへ
ロビン・ダンバー著「人類進化の謎を解き明かす」(インターシフト刊)によれば、ヒト(大型類人猿)は中央アフリカ地域で「約600万年前にチンパンジーと別れた」もので、当時はまだ樹上生活をしていたという。
ホモ・サピエンスの誕生
現代の我々に最も近いホモ・サピエンス(解剖学的現生人類)が誕生するのは約20万年前で、彼らは5万年ほど前にアフリカから移動(出アフリカ)してユーラシア大陸へ向かい、世界中へ拡散していく。今回のラスコーの壁画を描いたクロマニョン人もまたホモ・サピエンスであり、現在のスペインからフランスにかけて広く分布していたという。
芸術、ここに始まる
今回のラスコー展では、そうした人類の最も近しい祖先の作品を間近に見ることができる。それも、フランス南西部の現地へ行っても非公開のため見られないラスコーの洞窟壁画を、ほぼ原寸大で見ることができるまたとない機会である。恐らく、現地で見るよりもはるかに良好な環境で洞窟壁画の最高傑作を見ることができるだろう。それは、人類にとっての芸術の始まりであり、遊びの場であり、祈るための聖地だったかもしれない。2万年という時間距離は、40億年の生命の歴史からすれば、つい昨日のような短さである。
時間的に余裕のある暮らし
ラスコーの洞窟壁画に描かれているモチーフは、動物が圧倒的に多い。どれも威厳に満ちていて、生命力にあふれた豊かなボリュームで描かれている。これらの動物たちは狩りの対象だったはずだが、むしろ畏敬の念をもって描かれているように見える。きっと狩りのできない雨の日にでも、気高い野生の動物たちに思いを馳せながら、さまざまな道具と技法を駆使して壁画に取り組んだのではなかろうか。洞窟の中は安全で暖かくて灯りがあり、恐らくたっぷり時間をかけて丁寧に描いたに違いない。もしかしたら、現代のわれわれよりもはるかにゆったりとした「時間的に余裕のある暮らし」をしていたのかもしれない。だとすると、私たちは果たして進化しているのか、いないのか……。
会 期:2016年11月1日(火)〜2017年2月19日(日)
会 場:国立科学博物館(東京・上野公園)
開館時間:午前9時〜午後5時(金曜日は午後8時まで)※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:毎週月曜日、12月28日(水)〜1月1日(日)、1月10日(火)※ただし12月26日(月)、1月2日(月)、1月9日(月)、2月13日(月)の各月曜日は開館
エントリー期間中、セゾンカード・UCカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方で、読者プレゼントにご応募いただいた方の中から抽選で5組10名様に国立科学博物館で開催される特別展「世界遺産 ラスコー展 〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜」のペアチケットをプレゼントいたします。
※当選者の発表は、賞品の発送(2016年11月中)をもってかえさせていただきます。
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