人口700人の村がひとつのホテルに NIPPONIA 小菅 源流の村 「NIPPONIA 小菅 源流の村」ペア宿泊券(夕・朝食付き)を1名様にプレゼント
山梨県北都留郡小菅村は人口700人の小さな村。住所は山梨県だが、地理的にも生活圏としても奥多摩エリアに属する。しかし、道路事情もあって都心からだとなかなか行きにくい。それが、中央自動車道の大月ICから小菅村の間に松姫トンネル(全長3,066m)が通ってぐっと身近になった。その小菅村にある築150年の養蚕農家の邸宅を再生して、客室数4室のホテルにしたのが「NIPPONIA 小菅 源流の村」。谷口峻哉(しゅんや)、ひとみ夫妻がもてなす古民家の宿は、”都会生活者再生の宿”とでも呼びたくなるほど生気に溢れていた。
日本の暮らしの豊かさを残したい
古民家を再生して住む試みは1980年代のバブルの頃から盛んに行われているが、旅館業法などの規制によって「泊まれる」ようにするのは難しいのではないかと思われていた。それが、安全性や衛生面での問題をクリアすれば可能になるのを知ったのはつい最近のこと。そうした活動を最も活発に展開しているのが2009年2月に設立された一般社団法人ノオトであり、その実働部隊としての株式会社NOTE(2016年3月設立)ではないだろうか。NIPPONIA、あるいはNIPPONIA HOTELのブランドで、すでに40棟あまりを再生している。そのビジョンは「日本の原風景」を回復し、「日本の暮らしの豊かさ」を後世に残しておきたいというものだ。
地域再生に挑む
NIPPONIAブランドは、再生した古民家を地元の人たちに運営してもらうホテル、NIPPONIA HOTELブランドは、ホテル運営会社に委託して運営してもらうホテルと、ブランドを使い分けている。「NIPPONIA 小菅 源流の村」はもちろん、前者である。といっても、ホテルを運営する谷口夫妻は、都心の一流ホテルで経験を積み、海外でも学んだホテル運営のプロ。このホテルが開業する1年以上も前に小菅村に移住して準備に取り組んできた。経営母体は2018年7月に設立された株式会社EDGE。地域再生を手がける「株式会社さとゆめ(https://satoyume.com/)」と小菅村の「道の駅(http://kosuge-eki.jp/)」や温浴施設を運営する村営企業「株式会社源(みなもと)」、それにNIPPONIAを運営する「株式会社NOTE(https://stay.nipponia.or.jp/about)」、その3社の合弁会社で、地域再生を地元と一緒になって実現する伴走型のコンサルティング会社、株式会社さとゆめ代表の嶋田俊平氏が社長を務めている。
コミュニテイの中のホテル
小菅村は、都心から車で約2時間。中央自動車道で大月ICまで行き、そこから国道139号線で約40分。電車だと、中央本線でJR新宿駅から大月駅まで「特急かいじ」で約70分。大月駅からホテルまで、無料送迎バス(事前予約制)で約40分。奥多摩のさらにその先と言われるとかなり奥深い印象だが、都心から意外に近い。さらに、小菅村は「平成の大合併」(1995年の「合併特例法」)の際にも動じることなく独立を貫き、人口約700人の村を維持してきている。この事実一つをとっても村の団結力は強く、まとまった意思を持って行動してきていることがわかる。いわば、コミュニティ(人々が共同体意識を持って共同生活を営む地域社会)がしっかり成立しているのである。
村全体をホテルに
その小菅村と地域再生を手がける嶋田俊平氏が出会い、ただ通り過ぎるだけの観光地ではなく、村に滞在し、村の豊かな自然との暮らしぶりを体験してもらおうということで、滞在型のホテルを構想した。村にはすでに100軒以上の空き家があり、それを改装して使わせてもらえないかということで最初に手がけたのが「OHYA棟(細川邸)」というわけである。そのため、関西方面で古民家再生事業を手がける株式会社NOTEの協力を得て、NIPPONIAのブランドの元で再生事業に取り組んでいる。その結果、全てをホテル内に取り込むのではなく、村全体をホテルに見立て、村の協力を得ながら、「道の駅」や「小菅の湯」、村の道路や畦道などもホテルの一部という「分散型ホテル」を実現している。当然のことながら、村内にある空き家を活用した宿泊施設はこれからもまだまだ増えそうだ。
格式の高い豪農の館
「NIPPONIA 小菅 源流の村」は、いかにも村の名士の住まいを思わせる格式の高い豪農の館。建物の連なった長屋門は、まず一般の家屋では見かけないものだろう。しかし、人を寄せ付けない冷たさはない。門を潜ると庭園のすぐ先に玄関が見え、ガラス戸の内側にはそのまま濡れ縁になりそうな広い縁側が巡らされている。「どなたでもお気軽にお寄りください」といった風情のコミュニティラウンジに通され、お茶と和菓子をいただきながらチェックイン。谷口夫妻から滞在中のスケジュールなどをお聞きしていると、昔から存じ上げているような錯覚に陥るほど打ち解けてくる。主屋にはOHYA 1から3まで、3つの客室が配されていて、その巧みな構成に感心させられる。できれば、それぞれの客室全部に泊まってみたい。
蔵を改装したユニークな客室
さらに、長屋門エントランスの左手にある蔵を改装した客室OHYA 4もまたユニークだ。フランスの舞台女優サラ・ベルナールは、熟睡できると言ってお棺に入って眠ったそうだが、蔵の中での眠りはさらに快適そうだ。何しろ、金庫のように分厚い壁と頑丈な扉の仕組みに守られたベッドルームは、もうそれだけで安心感を誘う。レコード音楽を楽しめるスペースや、2階の畳敷きの小部屋にも懐かしさを覚える。エントランス左手のレストラン「24sekki」もまた気持ちの良い空間だ。四季をそれぞれ6つに分けた二十四節気がコンセプトなので、ほぼ2週間ごとにメニューが変わる。それほど小菅村の自然は繊細に変化する。
豪快な木造建築の宿
古民家を再生したホテルとはいいながら、不便さは全く感じなかった。バス・トイレのモダンな設えはむしろ最新のもので、機能的で清潔感にあふれている。わずか4室のホテルながら、強い印象を残す。近くには日帰り温泉「小菅の湯」があり、小金持ち工房(蕎麦工房)、源流レストラン、道の駅物産館などがある。電動自転車を借りて村をサイクリングすれば、村の見どころ、食べどころを回ることができる。中里介山の小説で知られる大菩薩峠(海抜1,897m)も近い。わが国は東京への一極集中で、大切な地方の文化を捨て去ろうとしている。住まいは、人の魂の拠り所だったはずが、いつの間にか「商品」となって消費されるばかり。価値ある古民家は、一度捨て去ってしまえば、もう二度と蘇ることはない。古民家の再生は、そのまま生活文化の再生でもある。都会ではまずお目にかかることのできない豪快な木造建築の宿に、ぜひ泊まってみていただきたい。
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で1名様に、「NIPPONIA 小菅 源流の村」のペア宿泊券(夕・朝食付き)をプレゼントいたします。
〈詳細〉
ペア宿泊券:夕・朝食付き
宿泊券有効期間:2020年6月〜2020年11月
宿泊券使用除外日:詳しくは予約時にホテルへお問い合わせください。
エントリー期間:2020年3月17日(火)〜2020年4月27日(月)
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2020年5月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。
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