長期滞在型アートレジデンス アートビオトープ那須 「アートビオトープ那須」のペア宿泊券(朝食付き)を1名様にプレゼント
2017年8月、那須・横沢地区にあるブティックリゾート「二期倶楽部」が、惜しまれながら30年の幕を閉じた。創業者・北山ひとみさんが手塩にかけて育てた”伝説のリゾート”である。その隣接地にあるのが、同じ北山さんが手がけるアートレジデンス「アートビオトープ那須」。石上純也氏設計の「水庭(Water Garden)」が脚光を浴び、坂 茂(ばん しげる)氏設計のスイートヴィラも建設中。これからどのような「北山ワールド」を見せてくれるのか楽しみだ。
自分を空っぽにするところ
筆者にとってのリゾートは「Re-sort(リ・ソート)」である。つまり、ソート(Sort分類)し直すことだ。リゾートの語源というわけではないが、この考え方がどうもぴったりくる。リゾートに滞在しながら、これまでの来し方行く末をぼんやり考えながら、「これまでのところ、果たしてこれでよかったのか?」と、こころ静かに内省する。よくなければ「さて、これからどうするか」といったことを脈絡なく考え続けるのである。そうして、自分を空っぽにしていきながら、仕事への飢餓感が芽生えたら「よし、やるぞ!」とリゾートから元気をもらうのである。
理想の宿を追って
そうなると、あれこれ忙しくアクティビティをこなす近頃のリゾートよりも、終日プールサイドで寝転んでいられるリトリート(隠れ家)タイプの静かで小さな宿の方がふさわしいかもしれない。ヴィラが点在するかつての二期倶楽部のようなリゾートを「リ・ソート」するために活用してきた滞在客も多かったに違いない。オーナーの北山ひとみさんがどのような事情で二期倶楽部を手放されたのか知る由もないが、隣接する「アートビオトープ那須」を拠点に「横沢アートコロニー」を実現するという理想を追い続けているとあっては、何としても滞在してみたくなる。
実用本位のレジデンス
アートビオトープ那須は、二期倶楽部創立20周年記念の文化事業として2007年にオープンしている。那須・横沢の自然の中で長期滞在しながら、心ゆくまで制作に励めるように、本格的なガラススタジオと陶芸スタジオを備えた、いわばアートコロニーである。客室数も20室程度に抑えてあり、キチネット付きとはいえ、スペースもそれほど広いわけではない。全体に無駄を省いたシンプルな構成で、実用本位に作られている。客室に籠っているよりも、外に出ることでむしろ一般ゲストとの思わぬ出会いの場を得て喜んでいるアーティストもいるかもしれない。
自然の叡智から人の叡智へ
北山ひとみさんがここに作ろうとしているのは「ボタニカルガーデン アートビオトープ」だという。「2008年から開催してきたオープンカレッジ〈山のシューレ〉は『自然の叡智から人の叡智へ』をテーマにしてきました。〈水庭〉はその成果物です。美しい自然は寡黙ながら強靭です。木々の乾いた幹の中からひとりでにみずみずしく膨らんでくる冬芽があるように、自然のなかにいると人間にも過ぎ去った年月の中からさまざまな思い出が伸び上がり語り掛けてくれます。自分の意志とは関わりなく、溢れ出る人間の精神に内包された〈魂〉のようなものに触れたときの喜びに勝るものはありません。私たち人間は、自然を母体にして生かされてきたことを真摯に受け止めないといけません。ここでは、21世紀を生きる人間のヒントを見つけて頂ければと思います」と語る。
建設予定地の樹木を移植
こうした思いから、エリア内にガーデンレストランを作り、宿泊施設として“天と地を繋ぐ”スイートヴィラ15棟を建てることにしたのである。しかし、そうなると建設予定地の樹木を切らなければならない。那須の自然をブランドの源と捉え、育んできた横沢の森を守るために考え出されたのが、敷地内の全ての樹木をそっくり移植すること。「そっくり」なので、枝も根も土も、丸ごとそっくりである。そのため、すぐ近くへの引っ越しにも関わらず、移植に丸4年もかかったという。
建築家・石上純也に注目
移転先は水田や牧草地として利用されてきたところだが、元をたどれば森だった。北山さんが建築家の石上純也氏に相談したところ、「過去を取り込みながら、これまで誰も見たことのない庭を作ろう」となった。つまり、そこに森林があり、水田があり、牧草地があったという土地の記憶である。こうして綿密に計算された庭園としての「水庭」は、「水の中に木が立つ」不思議な光景を現出させた。木々と池によって創り出された独特の空間の中に身を置くと、これはまぎれもない「建築作品」であり、同時に、これまで誰も目にしたことのない作品、つまり「人の叡智によって生まれたアート」ということが実感できるだろう。
スイートヴィラの設計は坂 茂氏
北山ひとみさんは二期倶楽部時代に建築家・渡辺 明、インテリアデザイナー・杉本貴志、同・テレンス・コンランなど10数名のクリエイターと協働している。今また、石上純也という多数の受賞歴を持つ話題の建築家に「水庭」の設計を依頼。さらに、スイートヴィラの建設では紙菅やコンテナを利用した建築で知られ、“建築のノーベル賞”と言われるプリツカー建築賞受賞の国際的な建築家・坂 茂(ばん しげる)氏を起用している。「坂さんは災害支援活動が認められて、日本人で初めてマザー・テレサ社会正義賞を受賞した尊敬すべき建築家です。21世紀を生きる上で大切なメッセージを共に伝えていきたいです、とお願いしました」と北山さん。坂 茂氏が初めて挑む宿泊施設は2020年の完成予定。きっと「リ・ソート」するのにふさわしいに違いない。今から楽しみだ。
読者プレゼントにエントリーいただいた方の中から抽選で1名様に、「アートビオトープ那須」のペア宿泊券(朝食付き)をプレゼントいたします。
〈詳細〉
ペア宿泊券:朝食付き
宿泊券有効期間:2020年1月〜2020年6月
宿泊券使用除外日:詳しくは予約時にホテルへお問い合わせください。
エントリー期間:2019年10月17日(木)〜2019年11月25日(月)
※応募資格:エントリー期間中に、セゾンカードを1,000円(税込)以上ご利用いただいた方。
※当選者の発表は、賞品の発送(2019年12月中)をもってかえさせていただきます。
※(株)クレディセゾンが実施するほかのキャンペーンとの重複当選はございません。
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